小児外科のご紹介

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教授挨拶

千葉大学大学院医学研究院小児外科学
教授 菱木 知郎

2020年1月1日付けで千葉大学小児外科に着任しました菱木知郎と申します。

小児外科は生まれたばかりの新生児から15歳までの小児を対象とし、頸部・胸部・腹部・骨盤の臓器を扱う外科部門です。小児外科という領域を説明するのに「こどもはおとなのミニチュアではない」という表現がしばしば用いられます。お子さんたちは心身ともに成長と発達の途上にあります。ただ体が小さいということだけでなく、成長の過程に応じた機能的・精神的な発育に応じた特性があります。さらに、お子さんのかかりやすい病気は大人のそれとは大きく異なります。このため、内科と小児科が異なる専門性を求められるように、小児の外科医療にはお子さんに特有の知識と技術が必要とされるのです。

一方で近年は「成育医療」という概念が少しずつ浸透してきました。成育医療とは、妊娠、胎児、新生児、小児、思春期、成人に至る一連のライフサイクルに関わる身体的・精神的を総合的に取り扱う医療で、年齢の枠で仕切りを設けてきた従来の医療から、ひとりの患者の成長をシームレスにみとどける医療が求められる時代になっています。当教室では総合病院の強みを活かし、胎児から成人に至るまで、小児科・産婦人科・成人領域の各診療科と密な連携をたもち、お子さんの成長過程と特性や社会的背景にみあった最適な医療を提供する体制を築いています。

小児外科で扱う疾患は様々で、お子さんの背景もそれぞれ異なります。最善の医療は何か、ひとつの正解がないこともときにはあります。私たちは常に、お子さんにとって最適な治療をチーム全員で考え、ご家族と十分に相談し、ご納得いただいた上で実践しています。

当教室の歴史は全国の小児外科の中でも古く、1976年に初代教授(千葉大学名誉教授)の高橋英世先生が中心となり、国立大学としては全国で二番目となる小児外科単独の診療科として発足しました。その後2代目教授の大沼直躬先生、3代目教授の吉田英生先生の後を継ぎ、私が4代目の教授として伝統ある教室を引き継がせていただくことになりました。

お子さんたちは未来を担う力になります。お子さんたちの健全な未来を創造するために、私たちは常に最高水準の医療を提供することが小児外科医の使命と思っています。このために教室員一同、日夜診療、研究、教育に取り組んでいます。

最後に、医師をめざす学生の皆さん、医師としてのスタートを切って将来に期待を膨らませている皆さんにメッセージです。お子さんたちが、自らの未来をつかみ、はばたいていくお手伝いをし、ご家族と一緒にお子さんの成長を長く、長く見守ることができるのは小児外科医の醍醐味です。この考えに賛同する同志が毎年私たちの仲間の輪に加わってくれています。興味を覚える方々は、ぜひ見学にいらしてください。いつでも大歓迎です。小児外科医を目指す若い世代が、教室だけでなく、社会の財産となると考えています。

菱木知郎