千葉大学大学院医学研究院
小児外科学
千葉大学病院
小児外科
第29回千葉内視鏡外科研究会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。このたび歴史ある会の当番を担当させていただくことになりました。このような機会を与えていただきました本研究会の世話人ならびに会員の皆様に心よりお礼申し上げます。
本研究会は共通のモダリティである内視鏡外科をテーマとして多岐にわたる外科領域の専門家が一同に介し、診療科・臓器の垣根を超えた議論を通じて幅広い知見を共有できるという点で、他の研究会にはない魅力のある会だと思っております。今回も呼吸器外科、消化器外科、泌尿器科、婦人科、そして小児外科領域から多岐にわたる疾患や手技の演題をご応募いただきました。当日はセッションを診療科毎で分けず、領域ごとにディスカッションを深めていただけるようプログラムを構成させていただきました。できる限り多くのテーマを取り上げ自由にご議論いただきたく、あえて「テーマ」は定めておりません。
この会を小児外科がお世話させていただくのは今回が初めてなのですが、実は小児外科でも胸腔鏡下手術・腹腔鏡下手術の歴史はさほど浅くはありません。ただ、体格の小ささに起因する様々な制約により、成人向けに開発されたデバイスを用いて手術を行うことがしばしば困難で、さらに先天異常など成人診療科と異なる疾患を扱うことが多いことも相まって、小児内視鏡外科は独自の進化を遂げてきた側面があります。しかし、昨今ロボット支援下手術の導入と普及が加速度的に進むなか、小児外科の内視鏡外科・ロボット支援下手術は成人診療科との連携・協力体制なくしては成り立ち得ないものになっています。その意味でも今回の研究会は私たち小児外科医にとってもたいへん重要な意味を持っており、多くの学びを得られるだけでなく、成人診療科の皆様との交流を広げる場となることを期待しております。
今回、特別講演では日本内視鏡外科学会大上賞受賞者講演として、分野を超えてロボット支援下手術のパイオニアでありリーダーである藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学講座の宇山一朗教授をお招きし、ロボット支援下手術の現状と将来についてご講演いただきます。すべての領域の皆様にとって貴重で有益なお話を伺えるものとたいへん楽しみにしております。
今年の研究会は会場が昨年までと変わり、京成ホテルミラマーレにて準備をすすめております。どうかお間違いのないようご来場ください。例年どおり、内視鏡外科に関わる多くの企業様にご協賛いただき機器展示ブースをご用意しております。研究会はタイトなスケジュールとなっておりますが、懇親会の時間まで展示を行なっていただく予定でおりますので、ぜひ各ブースへお立ち寄りください。
当日は様々な分野からの多くの先生方にお目にかかれますよう、教室員一同お待ちしております。
第29回千葉内視鏡外科研究会当番世話人
千葉大学大学院医学研究院小児外科学教授 菱木知郎