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2019年2月19日 朝日新聞 承諾番号:19-4610
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臨床法医外来での被虐待児診察

当センターの専門領域の一つに「臨床法医学」を置いています。死因究明だけでなく、“生きている人間”の評価を行うことや臨床分野や引いては社会全体へ我々の知見を還元していくことが含まれます(参照>SIX DEPARTMENTS内、臨床法医学)。

千葉大学医学部附属病院の虐待対応委員会参加を通じて、小児科と培ってきた協力関係を礎として2018年7月、千葉大学医学部附属病院小児科に臨床法医外来を開設いたしました。欧州で行われている「法医学者が医療施設内で生体の診察をする」ということを実践している国内でも珍しい試みです。
現在は児童相談所、検察、警察からの依頼を受け、被虐待児の診察を行っています。特徴としては医療機関としての検査(血液、病原体、画像など)、他科専門医のコンサルトを行い、当センターの専門家(法医中毒、法医歯科学、法医画像診断学など)協力を得て、より精度の高い意見書の作製を行っています。

今後は更なる診断精度の向上、児童虐待以外の生体事例(高齢者、障害者、犯罪関連)の対応等を目標として日本における臨床法医学の礎を築き上げたいと思います。

担当者:齋藤直樹