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法病理学(Forensic Pathology)

法病理学とは、亡くなった方の死因や生きている方に生じた傷害の程度等を判断すべく、解剖や組織検査等を実施した上で、総合的な医学的診断を下す学問で、狭義の法医学と同義で用いられることもあります。亡くなった方の場合、その死因や損傷を正しく鑑定することは、故人の人権を護り、社会に安心を還すことであります。

鑑定する内容は死因だけではありません。死因がわかっても、たとえばくも膜下出血のように病気でも外傷でも起こりうる場合があるとき、その他のさまざまな所見を基に病気によるものか、あるいは外傷によるものかを判断する必要が生じます。損傷があった場合には、その損傷が死因になったか否かや、損傷を形成した成傷器の推定を行ったりします。また交通事故では損傷をしらべて車両がどの方向から衝突して受傷したか、もし2台以上の車両が関与していた場合どの損傷がどの車両で形成されたかなどを判断することもあります。さらに、死後経過時間を推定したり、身元不明のご遺体では身体的特徴・手術痕などを検索したりもします。

当教室の法医病理学部門では、積極的に若い医師たちへの教育を行い的確な目をもった解剖医、研究者を育成することを目指しています。また、より正確で詳細な鑑定のための研究も盛んに行われています。私ども医局員は、研究の結果を解剖実務に応用し、そこで得られた結果を基に、さらなる鑑定の向上につなげるための研究を行っています。