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STR型キットを利用した同胞鑑定における迅速簡単な判定方法

法医学における個人識別の一つとして、DNA型を利用した血縁鑑定が近年増加しています。血縁鑑定の中で、兄弟姉妹(同胞)の関係を明らかにする同胞鑑定の判定には、尤度比やIBS(identical by state)を利用した計算が必要です。しかし、これらは計算の複雑さゆえに同胞判定の理解を難しくしています。そこで、我々はこれらへの解消の一歩として、同胞2者間のDNA型について、同型のアリル数を数えだけで、同胞の程度を理解しようとする方法を提案しました。

15ローカスで30アリルを含むIdentifiler Kitによる同胞鑑定を検討した結果、2者間で同型のアリル数が20以上は同胞のみとなり、他人同士2人の組み合わせでは同型のアリル数20以上はいませんでした。さらに同型のアリル数24以上はすべての同胞間で尤度比10,000を超えました。

今後、変異などのイレギュラーな事例についても検討を行っていく予定です。

担当者:井之上弘幸