


東洋と西洋の叡智を結集して、新しい時代の「個の医療」の実現を目指しています。そのためには、まず「漢方医学」の体系を理解しなければなりません。このために『傷寒論』、『金匱要略』などの古典や、江戸時代以後に活躍した漢方の臨床 家の著作などを学ぶ機会を提供しています。さらに、これらの著作から得た知識を臨床実践を通して追試することを行っています。その臨床実践の場が「附属病院・和漢診療科」であり、「柏の葉診療所」というわけです。
このような臨床実践を基盤として、さらに漢方の不思議を解き明かすための研究を基礎研究のエキスパートと連携しつつ展開しています。主な研究課題は次のとおりです。
漢方医学は陰陽虚実、気血水、あるいは五臓など、独特の病態把握のノウハウを持っていますが、これら諸概念の意味するこ とを科学的に解明すること。
漢方方剤は複数の生薬を組み合わせて成り立っています。一つの生薬にも様々な化学成分が含まれており、この生薬を複数組み合わせた漢方方剤は「多成分系薬物」と呼ぶことができます。そこで私たちは「漢方方剤」を一つの薬物単位とみなし、その効果発現の機序を免疫学的手法など、様々な手段を動員して明らかにしようと考えています。
勿論、この様な研究のプロセスで単一化合物の生理活性が浮き彫りになることもありますが、新薬開発のようにひたすら一つの活性物質を探求することを至上命題とはしていません。複雑系を複雑系として理解する方向で研究を進めています。
漢方医学は本来的には個々人の病態にきめ細かく対応出来る治療体系です。そこで、漢方治療が奏功した一例一例の症例を治療経験として論文にすることに最大の努力を傾けています。
しかし、「それでは漢方方剤は本当に効くのか」という、西洋医学側からの疑問には十分に答えられません。そこで、症例集積研究や、プラセボを用いた無作為化試験なども行っています。また、国内の漢方方剤に関するEBM情報を収集しています。その成果は『EBM漢方』(医歯薬出版)などの刊行を通して情報公開しています。
千葉大学医学部における医系学部生(医学部・薬学部・看護学部)に「和漢診療学」の講義と臨床実習の場を提供しています。この他に、学生サークル「千葉大学東洋医学研究会」の公開講座での連続講義も行っています。
以上のような教育・研究活動の具体的成果に関しては画面右メニューの各年度実績をクリックしてご覧頂けます。