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トピックス2013年

2013年12月18日

第37回千葉大学大学院小児外科学講座例会を開催しました。 

2013年12月7日(土)に、第37回千葉大学大学院小児外科学講座例会を開催しました。

この会は教室員にとってはこの一年の成果を発表する場であり、また新入医局員にとっては初めて学会形式で発表をまとめるというトレーニングの場でもあります。笈田先生、秦先生は初めての経験で、忙しい日常業務の隙間での寝る間を惜しんだ準備となりましたが、無事発表をおえることができてほっとしたことと思います。

今回は例年にも増して36題という多くの発表があり、特に看護サイドからの演題が多かったのが特徴でした。日常診療はチーム医療ですが、このような公式な場で問題提起をして多職種間で議論することは、問題の存在に気付くという点でもとても大事だなと感じました。

終了後に行われた懇親会では、教室の初代教授高橋先生、前教授大沼先生をはじめとした諸先輩方より、温かい応援の言葉をいただきました。また来年入局予定の勝俣先生、川口先生、吉澤先生からも頼もしい所信表明を聞くことができました。同門会長の岩井先生が、懇親会場の片隅に幼若細胞(医師)のクラスターが形作られていて将来がとても楽しみですと挨拶されました。小児外科を志す新しい人たちが増えるのはとても嬉しいですね。

2013年12月2日

第55回日本小児血液・がん学会学術集会に参加しました。

11月29日から12月1日までの三日間、ヒルトン福岡シーホークで、九州大学小児外科の田口智章先生を会長に、第55回日本小児血液・がん学会学術集会が開催されました。当科からは中田先生が新生児・乳児の神経芽腫の治療について、三瀬先生が神経芽腫の免疫治療について、そして光永が腎・副腎領域に発生する腫瘍の画像診断についてそれぞれ発表しました。千葉大学では普段より小児腫瘍ボードとして小児科医、小児外科医、病理医、放射線科医、看護師がチームを組んで小児がんの診断、治療に当たっています。この学術集会は、いうなればこの腫瘍ボードを全国レベルで行うようなイメージでしょうか。治療の最前線を肌で感じることができる、他の診療科と疾患に対する認識の共通の土台を作ることができる、他施設の経験を自分の経験として生かすことができる、また個別の症例の治療方針についてエキスパートと議論することができる貴重な場です。各会場では様々なテーマについて熱い議論が展開されました。個人的には普段あまりかかわることのない整形外科や耳鼻科領域の外科治療についての発表が大変印象にのこりました。全く別の視点からものを見るということは大事ですね。

3日目は、恒例で開催されているチャリティーマラソンに参加しました。4kmのコースを走りましたが、椎間板ヘルニアの術後にかまけてトレーニングをさぼっていたので、とてもきつかったです。一緒に参加したこども病院の菱木先生が、あっという間に見えなくなってしまいました。

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大変有意義な会の開催にご尽力いただいた田口智章先生と九州大学のスタッフに感謝申し上げます。

(光永哲也)

2013年11月22日

第40回日本胆道閉鎖症研究会に参加しました。

11月16日、茨城県水戸市で開催された第40回日本胆道閉鎖症研究会に参加しました。胆道閉鎖症(BA)は生後3~4ヵ月ころまでに胆管が炎症性に閉塞する病気で、原因不明の難病です。早期診断・早期手術(肝門部空腸吻合術)に加え、肝移植医療の進歩により患者さんのQOLは著しく向上してきています。

今回の研究会では、日頃から懇意にして頂いている茨城こども病院外科の連(むらじ)先生が会長であり、先生のライフワークである病因論のシンポジウムが組まれました。当科からは齋藤がシンポジストを拝命し「胆道閉鎖症のウイルス感染説のエビデンス」と題して、過去から現在にわたる感染説のエビデンスを整理しました。病因として以前からウイルス感染が言われていますが、それを積極的に支持するデータは実はあまりありません。連先生の熱意が乗り移ったのでしょうか、シンポジウムは熱気溢れるものとなりました。照井は「胆道閉鎖症早期発見例の新生児期の経過-D-Bilの低下傾向について-」を発表し、BA生後早期発症例のビリルビン値の推移について検討しました。今回は、病因に関連して、Seattle Children's HospitalのAnne M Stevens先生がマイクロキメリズムと自己免疫疾患との関係について講演しましたが、他分野の話は硬直した頭を適度に刺激してくれ興味深いものでした。

会終了後は水戸駅周辺に繰り出し、連先生の同僚・ジャズ仲間とジャズ喫茶を借り切り、各グループの奏でる名曲に酔いしれました。千葉大関係からは、当科の照井と千葉県こども病院外科の東本先生が演奏に参加し、初顔合わせの先生方とセッションを組み観客を魅了していました。参加できる類の音楽をカラオケ程度しかもたない私はもっぱら、聴くこと、飲むこと、拍手することに終始しましたが、実に高尚な(!?)時間を過ごすことができました。それにしても皆さん、即興で素晴らしい演奏をするのですね~。驚きました。

(齋藤 武)

2013年11月5日

千葉市小児科医会例会に参加しました。

2013年10月18日、オークラ千葉ホテルで行われた千葉市小児科医会例会にて、当科スタッフが講演を行いました。中田が「肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻の治療指針」、齋藤が「小児の腹痛~診断と治療の進め方~」と題して、千葉市近郊で開業されている小児科の先生方を対象に話を致しました。

肛門周囲膿瘍は乳児~幼児期の男児に多くみられ、肛門の周りが赤くなり膿が溜まる病気で重症化すると膿瘍の切開を要することもあります。近年漢方の有用性が指摘されており、当科でもその臨床治験(乳児肛門周囲膿瘍を対象とした十全大補湯の有効性を検討する無作為比較試験)を行っていることから、その内容を紹介しました。本治験への参加に際し、患者さんを治療開始前にご紹介いただくようご協力をお願いいたしました。

また小児科・小児外科医師はお腹の痛みを訴える子供さんを診る機会を数多く持ちますが、外科的処置を要する腸重積症や虫垂炎などについて診断と治療の流れを話しました。小児の虫垂炎の診断は簡単ではありません。種々の鑑別疾患(腸間膜リンパ節炎、メッケル憩室、クローン病、大網梗塞など)を念頭に、より侵襲の少ない検査を組み合わせて迅速に診断することが大切です。

日頃患者さんの紹介状や返信をやりとりしている先生方に、直接お会いして話をする機会を持てたことは非常に貴重でした。より緊密な意思疎通が可能となる気がいたしました。当科は一次から三次救急まで24時間応対いたしますので、診療上お困りの点がありましたら気兼ねなく御一報いただきたいと思っております。

(平成6年卒 齋藤 武)

2013年10月28日

第29回小児外科学会秋季シンポジウムとPSJM 2013に参加しました。

2013年10月24日から26日までの3日間、神保町の一橋記念講堂にて第29回小児外科学会秋季シンポジウムとPSJM (Pediartric Surgery Joiny Meeting) 2013が開催されました。PSJMは日本小児内視鏡外科・手術手技研究会、日本小児外科代謝研究会、日本小児外科漢方研究会、日本小児呼吸器外科研究会、直腸肛門奇形研究会が合同開催される場で、秋季シンポジウムとあわせて小児外科の秋の重要な学術集会です。

当科からは、齋藤が小児の外傷や熱傷治療の集約化を進める上での課題について、照井が在宅中心静脈栄養法におけるカテーテル管理の問題点について、中田が漏斗胸に対する胸骨拳上術について、そして私光永が小児転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡手術について報告しました。春の日本小児外科学会学術集会では基礎研究を含んだ小児外科全般が議論されますが、この秋の集会はより日常の臨床に近い視点でそれぞれのテーマが議論されるため、ある意味エキサイティングな場となります。例年に違わず、各会場ではそれぞれ大変盛り上がった意見交換がなされていました。

今回は、アメリカのSouthern California Kaiser Permanente Medical GroupのDr。 Donald Brian Shaulから、先天性中枢性肺胞低換気症候群に対する横隔膜ペーシングについての招待講演がありました。これは別名オンディーヌの呪いともいわれ、睡眠状態になると呼吸中枢が鈍感となって呼吸が止まってしまうという病気です。従来は気管切開を行って夜間は人工呼吸器の装着が必要でしたが、胸腔内の横隔神経を心臓と同じようにペースメーカーで刺激することで睡眠時の呼吸が担保できるようになります。胸腔鏡を使用した手術方法から治療経過についてまで分かりやすく講演いただき、またこの治療が導入された初期のころに手術を受けた赤ちゃんが素敵なレディーに成長された姿も紹介されました。大変感慨深く、ぜひ日本でも治療導入できればいいなと考えました。

なお、来年度の日本小児呼吸器外科研究会は当科の吉田を会長として、2014年10月24日・25日に秋葉原コンベンションホールで、日本小児呼吸器学会と合同で開催する予定です。今年議論した内容がさらに発展できる場になる様、開催準備を進めさせていただきます。

(平成11年卒 光永哲也)

2013年10月21日

第48回日本小児外科学会関東甲信越地方会に参加しました。

2013年10月12日、水戸にて開催された第48回日本小児外科学会関東甲信越地方会に参加しました。
私は鎖肛という先天的に直腸肛門に異常がある病気の治療について、当科の経験を発表しました。重症例の治療には様々な難しい問題をはらんでおり、お伝えしたい事を4分の口演時間に集約するのに一苦労でしたが、会場では他施設の先生方からも興味深い報告だったよ、と声をかけてくださり、なんとか無事に発表を終える事が出来ました。

会場はたくさんの他施設の先生方とお話をさせて頂きましたが、昨年非常にお世話になった都立小児総合医療センターの先生方にも久しぶりにお目にかかる事ができました。近況を報告させて頂き、昨年度受け持たせて頂いて、その後の経過が気になっていた患者さんのお話も聞くことができ、非常に有意義な時間となりました。今月末に開催されるPSJMでも、多くの先生方にお目にかかれたらと思いました。

(平成21年卒 小林真史)

偕楽園

2013年9月24日

第19回大腸肛門機能障害研究会に参加しました。

2013/9/7、成人の研究会で大腸肛門機能障害研究会に参加してきました。大腸肛門機能に特化したマニアックな会です。どこがマニアックなのかというと、直腸肛門機能には内圧検査というものがありますが、測定体位による内圧の変化を議論したり、排便姿勢における痔核の脱出部位を議論していました。小児消化管機能研究会も十分マニアックだと思っていましたが、小児のように検査のコンプライアンスが年齢によってまちまちなのに対して、成人は均一化できるので追求できる点が多いのだと思いました。

しかし、一番すごいと思った発表がありました。それは筋萎縮性側索硬化症は最後まで肛門機能は保持されているため、肛門収縮で意思疎通を図ろうという研究でした。直腸プローブを挿入して肛門の随意的な収縮圧を感知してその収縮回数などを利用するものです。コミュニケーションツールとしては脳波を読み取りロボットアームを動かすものが開発されつつあるようですが、これまた、おもしろいところに目をつけたものだと感じました。もうひとつ、この肛門機能検査に関して来年は検査講習会を実施するというではありませんか。代々受け継がれてきた小児外科の肛門内圧検査とどう違うのか参加してみたいと思います。

(平成12年卒 中田光政)

2013年9月17日

医局旅行2013

9月7日から8日の日程で、河口湖へ医局旅行に行って参りました。あわや台風直撃という予報でしたが、何とか雨風に予定を妨げられることは無く、過ごしやすい気候に恵まれました。

初日は、日本最大級のアウトレットショッピングモールである、御殿場アウトレットに立ち寄った後、富士山の富岳風穴、鳴沢氷穴を観光しました。これらの洞窟は国の天然記念物にも指定され、洞窟内の気温は平均3度と日本一外気と温度差のある洞窟として知られています。河口湖に面した富士レークホテルに滞在し、宴会では新人さん達が非常に完成度の高い一芸を披露してくれました。

翌日は、ワイン工場を見学しワインの試飲をした後、ぶどう狩り、BBQを楽しみ、最後に富士山が一番綺麗に見えると言われている昇仙峡に立ち寄りました。

曇りのため富士山を拝むことは出来ませんでしたが、皆で過ごした2日間は本当に素敵な思い出となり、より絆が深まりました。今後とも、医師や看護師を始めとするスタッフのチームワークをさらに深めていき、より良い医療を提供出来たらと思います。

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(平成22年卒 平成25年度医局旅行幹事 小林)

2013年9月9日

第105回関連病院カンファレンスを開催しました。

9月6日(金)に恒例の関連病院カンファレンスを開催しました。今回で第105回目となります。

松戸市立病院と君津中央病院からスタッフが参加し、日常診療で診断の難しかった炎症性腸疾患と乳児閉塞性黄疸の症例について症例検討を行いました。症例のプレゼンテーションの後、診断方法や管理方針、さらには分子生物学的なアプローチについてまで、活発な意見が交換されました。このような小さな症例検討会では、公式な学会等ではなかなか得られないざっくばらんな意見がだされます。これらの中に、次のより良い診療にむけたヒントがぽっと隠れていることがあり、大変勉強になります。

残念ながら千葉県こども病院と八千代医療センターは緊急手術のために参加できませんでしたが、数ある診療科の中でもとりわけ緊急手術が多い小児外科では仕方がありません。一方、今回も各施設から小児外科志望の初期研修医の先生達が参加してくれました。また小児外科に興味のある千葉大学も学生さんも参加してくれました。終了後は若手のメンバーでちょっとした懇親会も開催され、志望の志もさらに固まったことと思います。

2013年9月4日

齋藤武先生が小児炎症性腸疾患に関する講演を行いました。

8月30日金曜日、京成ホテルミラマーレで開催された千葉Round Table Discussion on IBDにて、「小児期発症IBDの手術適応と手術時期」と題し、講演を行ってきました。もともとこの会は、当院の消化器内科が音頭を取り、炎症性腸疾患(IBD)患者さんを診療する千葉近郊の医療者の風通しを良くする(難しく言うと、より良い医療連携を構築する)目的で、開催されてきました。

今回私は、小児の潰瘍性大腸炎とクローン病について、お話ししました。どちらも、病勢が悪化し腸に穴が開いたり大出血を来した場合は、当然手術です。それ以外に、内科的治療が効かなくなったり、腸に狭窄や瘻孔が生じ症状が出現した場合も手術になりますが、小児ではそれ以外にも注意点が二つあります。つまり、治療の副作用(ステロイドが代表です)で顕著な成長障害をきたした場合と、闘病のため入院期間が長くなり学業に支障が出る場合なども、外科治療の適応になり得ます。小児期、特に思春期は、精神と身体の成長にアンバランスが生じ、手術を含む集中治療に対し多大な不安や葛藤が生じるのが自然です。医療関係者はその旨を理解し、患者と家族への丁寧かつ時間をかけた説明が重要であるとお話ししました。round tableというぐらいなので、ざっくばらんな意見が続出するかと予想していましたが、tableも椅子もカチッと整頓されすぎて、皆さん多少肩に力が入りマイクが遠い様子でした(!?)。

(平成6年卒 齋藤 武)

2013年7月23日

第10回血管腫・血管奇形研究会に参加しました。

2013年7月19~20日に盛岡のアイーナで第10回血管腫・血管奇形研究会が催されました。

形成外科の先生を中心で行われるコアな研究会です。血管腫・血管奇形は患者様の数こそ多くはないですが、全身性であることも多く、体中を張り巡らしている血管やリンパ管の異常ということから治療に難渋することもしばしばです。小児領域では小児外科医や小児に携わっている形成外科医・放射線科医・耳鼻咽喉科医が治療に当たっておりますが、その施設も限られています。当院では形成外科が診療可能で本研究会も形成外科の先生とともに症例相談をして参りました。親身になって相談に乗ってくれましたのでアドバイスを生かし、治療を行っていきたいと思います。

また、せっかく盛岡に来たので、と空いた時間には大阪大学や九州大学の小児外科の先生たちとわんこそばにチャレンジし、みごと100杯達成しました。ども。

(平成12年卒 中田光政)

2013年7月23日

第49回日本周産期・新生児医学会学術集会に参加しました。

2013年7月15、16日と第49回日本周産期・新生児医学会学術集会がパシフィコ横浜で開催されました。16列同時並行で進む大きな学会ですが、新生児外科疾患では「先天性横隔膜ヘルニアの治療戦略」のシンポジウムが設けられ、当科からは照井慶太先生がシンポジストとして出席しました。横隔膜ヘルニアでは治療方針が各施設ごとに異なる面があり、治療方針の標準化が模索されてきました。現在ではさらに、重症タイプの横隔膜ヘルニア症例をどのように治療したらよいかにつながっていきます。当科では重症の横隔膜ヘルニアは昔から主治医を中心に体を張って治療に当たっていました。それでも救命に至らないことも多く、胎児治療が新たなステップであろうと考えていました。そしてこの会でついに日本でも横隔膜ヘルニアに対して胎児治療を始めますという宣言がありました。横隔膜ヘルニアの治療も新たな時代に突入するなあと感じられました。

かくいう私も「重症合併症を有する横隔膜ヘルニア」の症例の検討を発表しました。合併症が重症の場合は救命率もさらに低く、胎児治療の適応からも外されていて治療断念という施設も多い中、当科は頑張って治療していますと話してきました。まだまだ、横隔膜ヘルニア治療には先があると感じられました。

(平成12年卒 中田光政)

2013年7月19日

第20回千葉IBDフォーラムに参加しました。

2013年7月13日に開催された第20回千葉IBDフォーラムに参加し、当科で手術を施行したCrohn病の症例について報告しました。消化器内科、外科のIBDのスペシャリストの先生方のご意見を伺うことができ、とても勉強になりました。また、今回は20回の記念の会ということで渡辺守先生の特別講演がありました。症例提示だけでなく、先生のグループの研究についても拝聴させていただきました。臨床とむすびついた、独創性の高い研究で大変興味深かったです。

(平成17年卒 大野幸恵)

2013年7月16日

第22回日本小児泌尿器科学会に参加しました。

2013年7月10-12日、東京ビッグサイトにて日本小児泌尿器科学会が開催されました。2日目のみの参加でしたが、興味深い演題が多く、とても勉強になりました。

膀胱尿管逆流症に対する内視鏡下注入療法は、当科でも導入している術式ですが、穿刺方法の微妙な違いによるものなのか、施設毎の成績にかなりばらつきがありました。また、一定の割合で術後再発が発生するため、Follow方法に関しても未解決な部分が多く、今後も更なる検討が必要と痛感しました。また、小児の包皮成長に関する詳細なデータが提示されました。小児包茎に対する治療介入の是非についても議論されましたが、適切な介入時期を考える上で重要な情報と思われました。

(平成10年卒 照井慶太)

2013年7月8日

第14回千葉消化管運動機能研究会に参加しました。

2013年6月27日に、第14回千葉消化管運動機能研究会が開催されました。

演者の先生方をはじめ、成人の消化器内科・外科を生業とする方々が参加者の大多数を占める中、当科からは小林が食道閉鎖症術後患児の食道運動機能について報告しました。消化管運動機能の会とあって患者さんのQOLに深く関わる、食事摂取や食欲について深く掘り下げたお話を聞く事が出来、大変勉強になりました。食事は特に小児ではQOLはもちろん、成長・発達にも関わる大事なファクターであり、今後の診療に役立てていければと思いました。

(平成21年卒 小林真史)

2013年7月7日

第40回日本小児内視鏡研究会に参加しました。

2013年7月6日、川崎の聖マリアンナ医科大学にて、日本小児内視鏡研究会が開催されました。この会は当科の初代教授、高橋英世先生が設立に深く関わられた伝統ある研究会で、今回でちょうど40回目を迎えます。

当科からは私光永が乳幼児の胆道疾患における内視鏡的乳頭切開術について報告しました。今回参加した感想としては、ダブルバルーンやカプセル内視鏡を用いた小腸内視鏡検査が、小児でもかなり普及してきたなという印象をうけました。またこの会は小児外科関連学会とは異なり、小児の消化器や呼吸器の内視鏡検査にかかわる小児科、小児外科、消化器内科、麻酔科など様々な診療科の医師が参加します。この診療科の垣根を越えた議論の中で、我々小児外科医の常識が他の診療科医師の常識ではなかったり、千葉大学小児外科の常識が他施設の常識ではなかったりということに気づかされる場面がありました。良い刺激をもらい、また良い刺激を発信することで、今後の治療技術のブラッシュアップにつなげられればと思います。

(平成11年卒 光永哲也)

2013年7月5日

大野幸恵先生が理化学研究所より帰局しました。 

6月より約3年ぶりに千葉大学小児外科で勤務することになりました。当時赤ちゃんだった子供たちがしゃべったり歩いたりしている姿にとても嬉しくなり、同時に自分もかなり歳をとったという事実を再認識し、すこし悲しくなった次第です。至らない点が多々あるとおもいますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

(平成17年卒 大野幸恵)

2013年6月4日

第50回日本小児外科学会学術集会が開催されました。

2013年5月30日から6月1日までの3日間、新宿の京王プラザホテルで日本小児外科学会学術集会が開催されました。これは日本における小児外科に関する学術集会の中で最も大きなものであり、全国の小児外科医が一堂に会して小児外科に関する様々なテーマを議論する場です。

当科からは菱木知郎先生が小児がんに関する臨床経験と免疫療法の開発研究について、齋藤武先生が先天性食道閉鎖症の長期予後についてと小児炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術について、照井慶太先生が先天性横隔膜ヘルニアの胎児治療適応基準について、中田光政先生が鎖肛モデルマウスを用いた基礎研究について、原田和明先生が新生児外科疾患の出生前診断について、小松秀吾先生が肝臓の悪性ラブドイド腫瘍について発表しました。光永は新生児消化器外科疾患とミルクアレルギーの関係について報告し、ミルクアレルギー発症危険因子について各施設の先生方と貴重な意見交換をすることができました。各セッションともに活発な議論が行われ、大変有意義な学術集会でした。得られた新しい知識を明日からの子供たちの治療にぜひ生かし、今後の小児外科の進歩に微力でも尽くしていきたいという思いをあらためて強くしました。

駿河敬次郎先生

今回は第50回の記念開催でした。様々な50周年記念事業があわせて行われましたが、圧巻は、日本小児外科学会の設立に深くかかわられた御年92歳の駿河敬次郎先生の御講演でした。50年前に小児外科の基礎を作り、現在の小児外科医療を導かれた雲の上の大先輩の肉声には、とても心を動かされました。日本小児外科学会雑誌、雑誌小児外科、そしてJournal of Pediatric Surgeryの発行秘話などのお話も大変興味深いものでした。日本の小児外科の歴史は欧米に20年遅れて始まったとよく言われますが、なんのなんの、駿河先生をはじめとする第一世代の先生方の代で既に日本の小児外科は世界レベルに引き上げられていたんだなと強く感じました。我々もできることなら50年後の第100回学術集会に参加したいと、同世代の先生方と感動を分かち合いました。

個人的には数年ぶりに大学の同級生と再会したり、国際学会等で仲良くしていただいた先生方、また同世代の先生方と交流を深めることができました。夜はおいしいビールをたくさん味わうことができた三日間でした。

(平成11年卒 光永哲也)

医学生の方は、こちら(http://www.jsps.gr.jp/students/advise_02.htm)もぜひご覧ください。

2013年5月14日

チーバくんが1日看護師を務めました。

5月12日はナイチンゲールの誕生日にちなんで看護の日と制定されています。

今週は看護週間となっており、チーバくんが1日看護師として小児病棟に来てくれました。

チーバくんは遠くから見るとかわいいですが、近くで見ると結構巨大で、どちらかというと怖がるこども達が多かったような・・・。

来年も来てくれるかな?

2013年5月10日

榎本秀樹先生が神戸大学の教授に就任されました。 

このたび同門の榎本秀樹先生が、神戸大学大学院医学研究科 生理学・細胞生物学講座 神経分化・再生分野(http://www.med.kobe-u.ac.jp/gs/field/basic/neu_diff.html)の教授に就任されました。

先生は昭和63年に千葉大学医学部を卒業され、同年当科に入局されて小児外科の研修を開始されました。その後9年間、小児外科医として臨床で活躍されましたが、平成9年にワシントン大学医学部病理学教室に留学されて研究生活に移られ、平成14年からは理化学研究所で研究活動を続けられておりました。平成25年4月より、神戸大学の教授に着任されております。

千葉大学小児外科同門一同、心からお慶びを申し上げるとともに、先生の今後のますますのご活躍を祈念いたします。

2013年4月26日

関連病院カンファレンスを開催しました。

千葉県こども病院、松戸市立病院、君津中央病院より医局員が集合し、症例報告形式のカンファレンスが開催されました。

各施設から、診断が難しかった症例や普段遭遇することのない稀な症例を報告しあうことで、お互いの医学知識がブラッシュアップされます。

各施設の初期研修医や医学部の学生も参加し、大変にぎやかな会となりました。こうしてみると、千葉大学小児外科は女性医師が多いですね!

2013年4月24日

クリーンルームにセラピードッグが遊びにきました。

本日5匹のセラピードッグが、日本動物病院福祉協会のボランティアの方たちと一緒に、小児病棟のクリーンルームに遊びにきてくれました。

5匹ともとてもおりこうさんで優しいワンちゃんで、こどもたちもにこにこしながら触れ合うことができました。普段つらい治療をがんばっている子供たちですが、このふれあいが楽しい思い出になれば最高ですね。

今後も月一回の予定で活動を継続していただく予定です。

マネージメントしていただいた小児科の落合先生と病棟ナース上林さんに感謝いたします。

2013年4月22日

PAPS2013に参加しました。

オーストラリア、ハンターバレーで行われた46th Pacific Association of Pediatric Surgeons (PAPS2013)に参加しました。当科からは3人出席予定でしたが、開催直前に光永が頚椎椎間板ヘルニアの手術となり、少人数ながら二人(吉田と齋藤)が出席しました。ハンターバレーはシドニーから車で数時間の観光地で、ワイナリーで有名な場所です。豊かな自然に囲まれ、ゴルフの合間にグリーン近くにカンガルーが出没したのを目撃した参加者もいました。発表は4日目午前のsessionで、当科の過去32年間の小児ERCPの成績を口頭発表する機会に恵まれました。調べた限りでは、小児200例以上のvolumeを持つ施設は世界でも稀です。発表まで数日ありnativeの英語に慣れ始めたころでしたので、意思疎通不能(!?) に陥ることなく、発表を終えました。

写真は、会期終盤に行われたディナーでスクリーンに映しだされた私の顔です。参加者個々の写真が寄り集まって、大きな私の顔になっています(同様な方法で他参加者の顔写真も披露されたのはもちろんです)。到着日に、軽装のカメラマンが私の顔のアップをやけに撮影するので、訝しげに思っていましたが、こういうことだったのですね。発表時の写真より希少価値があると思ったので、皆さんにお見せします。最後に、現地で仲良くして頂いた先生方、本当にありがとうございました。

(平成6年卒 齋藤武)

2013年4月8日

笈田諭先生と秦佳孝先生が仲間に加わりました。

4月より、笈田諭先生と秦佳孝先生が、初期研修を終えて千葉大学小児外科に入局されました。フレッシュマンを迎えることはとてもうれしいことです。小児医療に携わる同志として、お互い切磋琢磨していきたいと思います。

【新入医局員御挨拶】

笈田諭(平成23年 千葉大学卒) 

本年度より小児外科に入局いたしました笈田と申します。はじめはわからないことだらけで多大なるご迷惑をおかけすると思いますが、皆様の力になれる様、ひいては子供たちの力になれる様尽力して参りたいと思いますので、御指導御鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

秦佳孝(平成23年 浜松医科大学卒)

この度、2年間の初期研修を終えて、4月より千葉大学小児外科のシニアレジデントとなりました、秦 佳孝(しんの よしたか)です。昨年10月より既に小児外科での研修をスタートしておりましたが、晴れて正真正銘、千葉大小児外科の一員となれたことに誇りを感じております。こどもたちの笑顔に少しでも貢献できるよう、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。

2013年4月8日

小林真史先生が都立小児総合医療センターでの研修を修了しました。

都立小児総合医療センターでの1年間の勤務を終え、再び千葉大学小児外科へ戻って参りました。

これまで先輩方にご指導頂いた事を少しでも還元していけるよう、目の前のこどもたちひとりひとりに対して自分が出来ることに全力で取り組んでいきたいと存じます。そして後輩や研修医・学生の皆様に小児外科のやりがいを伝えられるよう、自分自身も楽しんでこどもたちに関わっていけたら嬉しいです。

まだまだ未熟な所ばかりではありますが、今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

(平成21年卒 小林真史)

2013年4月3日

照井慶太先生が講師に就任しました。

平成25年4月1日付で小児外科講師を拝命致しました。
小児外科学の更なる研鑽を積むと共に、研修医・学生さんへの指導をより一層充実させて参りたいと存じます。
重責を感じておりますが、職務をひとつずつ全うしながら微力を尽くして参りたいと存じます。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

(平成10年卒 照井慶太)

2013年3月22日

ミシガン大学ECMOセンター研修報告

2013年2月4日から10日までの一週間、ミシガン大学のECMOセンターでECMO specialist training courseを受講してきました。

体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)は、その名の通り膜型人工肺と血液ポンプを組み合わせた体外循環装置で、従来の人工呼吸器では救命できない重症の呼吸不全に陥った患児の救命に用います。当科では1998年より主に胎児診断の横隔膜ヘルニアや重症肺炎の治療に導入しており、2012年は4症例に施行しました。ミシガン大学は1976年に世界で初めてECMOによる胎便吸引症候群の新生児救命例を報告し、以後全米のECMOセンターとしてECMO治療を牽引してきた施設です。今回は当院の救急部が主体となり、成人を含めた当院のECMO治療のレベルアップを目的に、千葉大学医学部附属病院の在外派遣研修事業としてお話をいただき、小児外科から光永が参加しました。

training courseは3日間で、午前中はECMOの生理学、医工学、対象疾患ごとの管理、看護、チーム医療などについて講義を受け、午後は実機やトレーニングモデルを用いた実習を行うというスタイルでした。またPICUで実際にECMO治療を受けている新生児を見学する機会もありました。これらのなかで、現在我々が使用している機器の優れている点とともに改良すべき点がよく分かりました。ミシガン大学では、20名の看護師、臨床工学技士から構成されたECMO specialist teamが新生児から成人までNICU、PICU、ICUを横断して管理しているとのことでした。今後千葉大学医学部附属病院としてECMO治療のレベルアップを図るためには、院内に同様なECMOチームを作る必要性を認識しました。できることから今後のECMO治療に反映させていきたいと考えております。

2月のミシガンは平均気温が氷点下の毎日で非常に寒かったです。時間的制約で空港とミシガン大学をほぼ往復するだけの日程でしたが、夕食はステーキハウスやパブなどで、参加したメンバーと現地でエスコートしていただいた方々と一緒に楽しいひと時を過ごしました。

(平成11年卒 光永哲也)