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トピックス2015年

2015年12月8日

第39回千葉大学大学院小児外科学講座例会を開催しました。

第39回千葉大学大学院小児外科学講座例会を開催しました。

2015年12月5日(土)に、教室例会を開催しました。例会は関連病院を含めた全ての教室員が集まり、学会形式で症例報告や研究報告を行って成果を発表する一年の一回の恒例イベントです。

今年度は残念ながら新入医局員がいなかったため(昨年度は3名ですが・・)、新入医局員の初めての発表の場というドキドキ感はありませんでしたが、その分後期研修の先生方がしっかりした発表をしてくれました。また大学院生も増えており、それぞれの研究室での研究内容の発表が、例年に増して充実していたように感じました。

終了後に行われた同門会の懇親会では、前教授の大沼先生をはじめ諸先輩方から激励をいただきました。また来年入局予定の初期研修医の先生、医学部の学生など、幅広いメンバーで交歓し、来年への思いを新たにしました。

2015年11月2日

PSJM2015/第31回日本小児外科学会秋季シンポジウムに参加しました。

2015年10月29日から10月31日の3日間、熊本で開催されたPSJM2015と第31回日本小児外科学会秋季シンポジウムに参加しました。PSJM(Pediatric Surgery Joint Meeting)では第35回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会、第45回日本小児外科代謝研究会、第72回直腸肛門奇形研究会、第20回日本小児外科漢方研究会の4つの研究会が開催されました。

当科からは小原が直腸肛門奇形研究会で低位鎖肛術後の排便機能の長期成績について、照井が小児外科代謝研究会で先天性横隔膜ヘルニアの周術期栄養管理について、光永が小児外科漢方研究会で小児外科診療における漢方処方の現状についてそれぞれ発表しました。秋季シンポジウムの今年のテーマは小児難治性良性腫瘍であり、中田が静脈奇形による後腹膜腫瘍に対する集学的な治療について報告しました。各研究会とも例年に増して演題申し込みが多く、活発な討議が繰り広げられました。

今回は会期中の教育講演やセミナーで栄養に関するレクチャーが多く組まれていました。小児外科は新生児、乳幼児の消化管の手術を行います。しかしこの時期は体重当たりの栄養摂取量が人生で最も必要な時期です。消化管を十分に使えない状態での新生児、乳幼児の栄養管理は職人芸で、小児外科の進歩は栄養管理の進歩であると言っても過言ではありません。我々小児外科医は、栄養管理のプロフェッショナルであるという自負があります。最新の知見を聞くことができ、また自身の知識を整理することができました。明日からの診療に早速役立てようと思います。

(光永哲也)

2015年11月2日

第26回日本小児呼吸器外科研究会に参加しました。

2015年10月23日〜24日にかけて倉敷で行われた第26回日本小児呼吸器外科研究会(第48回日本小児呼吸器学会と合同開催)に参加してきました。当科からは”小児縦隔腫瘍の臨床像と周術期管理に関する検討”という演題で発表を行いました。小児縦隔腫瘍は呼吸器症状を呈する事が多く、全身麻酔のリスクが高い場合があります。当科で経験した症例についてまとめ、麻酔の危険因子の検討を行いました。発表会場には自分のような若手医師はほとんどおらず、全国的に有名な先生方が多くいるなかでの発表でした。大変緊張してしまいましたが、無事に発表を終えることができました。

また漏斗胸・CPAMなどの講演もあり、普段の診療で疑問に思う点などに対して新たな知識を得ることができました。特に特別講演での岡山大学臓器移植医療センター長 大藤剛宏先生の小児肺移植の講演には感銘をうけました。ひとつでも多くの命を救う、ひとりでも多くの人生を取り戻す、そんな移植医療の最前線で働く大藤先生の姿が非常にかっこよかったです。

倉敷は大正時代にタイムスリップしたような街並みで大変綺麗でした。

(川口雄之亮)

2015年11月2日

第50回日本小児外科学会関東甲信越地方会に参加しました。

2015年10月10日にラフレさいたまで行われた第50回日本小児外科学会関東甲信越地方会に参加し、当科で経験した術前診断が難しかった急性腹症の症例について発表をしてきました。関東甲信越地方会は伝統的に若手の発表の場であり、各施設とも自分と同年代の医師の発表が多く見受けられ、たくさんの刺激をもらいました。

1日ではありましたが全部で50もの演題がありました。そこで感じたのは小児外科疾患は領域が広く、広範な知識がやはり必要になることと、疾患頻度が少なく、自分ひとりで経験することには限界があるため、このような学会に参加し勉強することの大切さを改めて実感しました。

(川口雄之亮)

2015年10月2日

先天性横隔膜ヘルニア(CDH)診療ガイドラインが公開されました。

新生児先天性横隔膜ヘルニア研究グループによるCDH診療ガイドラインが公開されました。

https://www.wch.opho.jp/hospital/department/shounigeka/cdh.html

一般的に希少疾患のガイドラインは作成するのが困難で、専門家の経験を集積した「教科書」になってしまいがちです。しかし本ガイドラインでは、現段階でのエビデンスを緻密に集め、GRADEに従ってそれらのエビデンスの質を系統的に評価し、それらに基づいて推奨が行われています。内容は出生後の蘇生処置から長期Follow upに至るまで多岐にわたっています。資料は以下の3つが用意されています。

【実用版】 CQ・推奨・解説文が掲載されています。
【詳細版】 ガイドライン作成の過程が記載されています。
【一般向け】 【実用版】が専門用語を使わないようにして記載されています。

ガイドライン作成の目的は診療レベルの向上と正確な情報提供です。本ガイドラインは患者家族の方やCDH患児に携わるスタッフにとって、治療行為の意味を理解し、治療全体を俯瞰するための一助になると思われます。

(照井慶太)

2015年9月29日

第108回千葉大学小児外科関連病院カンファレンスを開催しました。

2015年9月25日(金)に、恒例の関連病院カンファレンスを開催しました。千葉県こども病院、八千代医療センター、松戸市立病院、君津中央病院、横浜労災病院からスタッフが集まりました。また研修医や医学生の参加もあり、30名を超える大きなカンファレンスとなりました。

今回は各施設から急性腹症、消化管出血、外傷性臓器損傷などの経験した症例が提示され、図らずも腹部救急疾患がテーマとなりました。他施設の経験を共有することは、診療レベルの向上に不可欠です。診断や治療方針についてディスカッションが盛り上がりました。参加したメンバーはそれぞれ実りのあるtake home messageを得られたことと思います。

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来年度千葉大学小児外科に入局を表明してくれている2名の後期研修医が挨拶をしてくれました。4月1日に病棟で待ってるよ!!

2015年9月25日

CDH workshop 2015に参加しました。

CDH(Congenital diaphragmatic hernia)workshopは2年に一度開催され、先天性横隔膜ヘルニアに関することだけが徹底的に話し合われる特異な研究会です。今回の会場はトロント小児病院(通称 SickKids)の研究棟内にある講堂でした。講堂の隣には食事をするスペースがあり、朝食・昼食・夕食をそこで食べながら、2日間に渡り行われました。

1日目は基礎研究、2日目は臨床研究が発表され、いずれも研究のレベルが極めて高く、圧倒されました。また、この研究会のもうひとつの特徴として、CHERUBS(The Association of Congenital Diaphragmatic Hernia Research, Awareness, and Support)という国際的なCDHの患者・家族団体が参加していることが挙げられます。基礎・臨床の研究いずれに対しても積極的に議論に参加されており、研究における患者目線の重要性を認識しました。

私は日本のCDH Study groupによる多施設共同研究の結果を発表させて頂きました。内容はCDHの長期Follow-up中にみられる様々な障害(合併症・手術)をまとめたものです。半数を超える方がなんらかの障害を抱えていることが明らかとなり、長期Follow-upの重要性を確認しました。

会場には世界のCDHの有名人が勢揃いしており、おそらくCDHに関するReviewer(論文の査読者)が全員集まっていると思われました。また、世界には日本を含めて5つほどのStudy groupが存在しますが、それぞれのグループの方向性を明確に確認することができました。今後の日本のCDH Study groupの方向性を考える上で、 大変有意義でした。

トロントではホテル・会場・飲み会以外の場所には行けませんでしたが、充実した2日間でした。

(照井慶太)

2015年8月12日

BAPS2015に参加しました。

イギリス、ウェールズのカージフで開催された第62回British Association of Peadiatric Surgeons (BAPS)に参加してきました。諸先輩方からきいていた話ではBAPSは敷居が高いとのことでしたので、期待と不安を感じながらロンドンHeathrow空港に降り立ちました。

カージフはウェールズの首都で、ロンドンから列車で2時間ほどの所にあります。ロンドン中心部の喧騒と雑駁とは異なって、街自体がコンパクトで、とても落ち着いた街です。街中に英語とならんでウェールズ語が溢れていますが、残念ながら滞在中に生のウェールズ語に接する機会はありませんでした。ラグビー人気は相当で、今年はワールドカップが開催されるとのこと。

学会はCity Hallで行われました。市庁舎ということでしたので、市役所の会議室のような場所で発表!?と訝しげに思いながら現地に行きましたが、実物は写真のごとくで、重厚そのもの。何でも1900年頃の新バロック様式の建築物ということです。BAPSは表向きinternational conferenceとされていますが、参加者の顔ぶれをみると9割が地元英国から、残りが米国、他ヨーロッパ、アジアなどからで、日本人は全部で10人弱だったと思います。確かにPacific Association of Pediatric Surgeons (PAPS)とは異なり、BAPSはアウェー感たっぷりです。偶然日本人に会うと何だか嬉しくなりました。

会期は3日間。演題数は口演とポスター発表を含め140題程度で、合間に1つのシンポジウムと7つのレクチャーが入る、という具合でした。口演のsessionは8つあり、下部消化管、prize session、上部消化管、胸腔、一般、肝胆道、泌尿器、一般Ⅱという構成でした。最近日本ではシンポジウム形式が多い印象ですが、BAPSは各自の演題発表が中心で、質疑応答の時間が余裕をもって確保されていました。質疑が盛り上がる場面が多々有り、現地の方々の旧知ゆえの言い合い(掛け合い?) などもあって楽しめました。私の発表は3日目最終日。「Management Strategy for Intrahepatic Calculi after Radical Surgery for Pediatric Choledochal Cyst」という内容で、先天性胆道拡張症(CBD)術後の肝内結石の臨床像を提示し結石形成のrisk factorを統計学的に解析しました。本邦の学会・研究会ではCBD術後肝内結石はそれほど珍しくありませんが、CBDの発症頻度の極めて低い欧米の小児外科医にとっては興味深かったらしく、発表後は質問が切れ目なく飛んできて四苦八苦しながら対応しました。予後は良好というのが一般論なので、術後フォローは終生にわたって必要、という我々の考えに対してコメントを述べたくなったのかもしれません。

さて、「蝶ネクタイの着用が義務付けられる」と伝説のように語られるレセプションですが、出席して観察した限りでは、蝶ネクタイ、燕尾服、タキシードのガチガチのフォーマル感を炸裂している方はおらず、かなりinformalでした。ただ、来年以降は保証できません。言葉の壁をたびたび感じましたが、我々non-nativeを歓迎しようとしているのか、「Welcome!」と声をかけてくれた方がかなりいました。

Excursionは学会イベントとしては予定されず、いたって質素な集まりでしたが、その分個々の発表に集中でき、落ち着いた雰囲気の中で議論を深めることができた感じです。機会を見つけて再度チャレンジしたいと思っています。

(齋藤 武)

2015年7月27日

第52回日本外科代謝栄養学会に参加しました。

日本外科代謝栄養学会 第52回学術集会に参加しました。昭和大学小児外科の土岐彰会長による精力的なプログラムが光る、素晴らしい学会でした。

当科からは「微量元素製剤の長期投与における鉄過剰症の検討」を発表しました。本邦の微量元素製剤はヨウ素I、鉄Fe、銅Cu、マンガンMn、亜鉛Znがセットになっているものしかありません。一方、鉄の代謝は排出経路が少なく、長期投与に伴って鉄過剰が生じる可能性があります。その場合、鉄以外の微量元素欠乏に配慮しながら管理することは非常に困難であるため、鉄なしの微量元素製剤が必要と結論付けました。

外科臨床を行う上で避けては通れない手術侵襲・栄養管理という重要なテーマに対して、科学的かつ真摯に向き合うことの大切さを再認識しました。

(照井慶太)

2015年7月24日

第51回日本周産期・新生児医学会学術集会に参加しました。

2015年7月10日から12日の3日間、九州大学病院小児外科の田口智章先生を会長として第51回日本周産期・新生児医学会学術集会が福岡にて開催されました。全国から産科、小児科、新生児科、小児外科など周産期・新生児医療に関わる多くの施設の方が参加されていました。

当科からは4名が以下の内容でポスター発表を行いました。

「新生児先天性横隔膜ヘルニアに対する最適な呼吸管理方法の検討:システマティックレビューとメタ解析」 照井慶太

「急速遂娩を施行した小腸軸捻転の2例」 三瀬直子

「胎児期より腹腔内嚢胞を指摘された腸管重複症の3例」 笈田諭

「肺分画症を合併した先天性横隔膜ヘルニアの一例」 勝俣善夫

小児外科に関連したシンポジウムや教育講演も多く、とくに先天性横隔膜ヘルニアの国際シンポジウムなどは大変興味深く聞くことができました。新生児医療に関わる身として全体的にとても勉強になる学会でした。

(三瀬直子)

サザンオールスターズのトリビュートバンド、KAWAMURA BANDが懇親会を盛り上げてくれました。

2015年6月24日

EUPSA2015に参加しました。

Sloveniaで行われたEuropean Paediatric Surgeons' Association (EUPSA) 2014に参加し、日本横隔膜ヘルニアスタディグループによる多施設共同研究の結果を発表してきました。内容は新生児横隔膜ヘルニア術後、長期Followにおける成長障害についての検討でした。欧米では術後長期のFollow upがあまりされていないようですので、日本発の貴重なデータをプレゼンすることができました。また、教育的なLectureも充実しており、多くのことを学ぶことができました。明日からの臨床に役立つ知識と共に、活力を充填させて帰国いたしました。

(照井慶太)

行く前はスロベニアとスロバキアの違いもわからず、首都Ljubljanaの情報はおろか読み方さえわからない有様でした。しかし実際に行ってみると、自然が豊かな素晴らしくきれいな国でした。

2015年6月2日

第52回日本小児外科学会学術集会に参加しました。

2014年5月28日から30日までの3日間、兵庫県立こども病院小児外科の前田貢作先生を会長として、第52回日本小児外科学会学術集会が神戸国際会議場で開催されました。

当科からは以下の布陣で発表を行いました。

【要望演題】低侵襲手術

新生児先天性横隔膜ヘルニアに対する手術アプローチの比較:システマティックレビューとメタ解析 (照井慶太)

【要望演題】トランジション/在宅医療

小児外科疾患を有する女性における妊娠・分娩のリスクと合併症 (中田光政)

【要望演題】基礎研究

Kif26A KOマウスを用いた腸管神経の役割の解析 (小原由紀子)

【一般演題】

胆道閉鎖症(Biliary Atresia;BA)疑い症例に対する診断アプローチの考察 (齋藤武)

【ポスターセッション】

胆道閉鎖症におけるTh17/Treg バランスとTreg の意義 (齋藤武)
小児外科を継続受診している成人患者の疾患背景とトランジションへの課題 (光永哲也)
先天性食道狭窄症の臨床像と治療について (大野幸恵)
胎児腹腔内嚢胞の検討 (笈田諭)

今回の学会は、学術的なことはもちろんですが、やはり木村健先生の特別講演がハイライトでした。木村先生は兵庫県立こども病院の外科部長からアイオワ大学の外科教授を歴任され、十二指腸閉鎖症に対するダイヤモンド吻合術や、全結腸型ヒルシュスプルング病に対する結腸パッチ手術など、現在標準術式となっている数々の手術を世界で初めて報告された小児外科の偉人です。「小児外科-永遠のフロンティア」と題して、開発された数々の「木村法」について、その着想の過程を中心に講演いただきました。大変ユーモアのある内容で、また後進の我々に対する温かいエールにあふれたものでした。私事ですが、2001年に京都で開催された環太平洋小児外科学会で、まだ現役だった木村先生が「木村法」の一つであるA型食道閉鎖症の前胸壁延長術について発表されていたのを聞いたことがあります。駆け出しだった当時の私は木村先生のことを存じ上げず、発表内容そのものもよく理解できませんでした。振り返ると自身の無知に赤面しますが、先生が講演の中で無知から生まれる新しい術式もあるという言葉を述べられており、そっと背中を押された感じがしました。

(光永哲也)

2015年4月27日

第107回千葉大学小児外科関連病院合同カンファレンスを開催しました。

平成27年4月24日(金)に、恒例の千葉大学小児外科関連病院合同カンファレンスを院内で開催しました。

千葉県こども病院、東京女子医科大学八千代医療センター、君津中央病院、松戸市立病院、千葉県立佐原病院からスタッフが集まりました。また医学部の学生さんやそれぞれの施設の研修医の先生たちの参加もあり、総勢30名を超える盛大なカンファレンスとなりました。

各施設から提示された症例に対し、研修医からベテランまで活発な意見交換ができました。今回印象的だったのは、検討した症例の中に、関連病院内の複数の施設・メンバーで協力して治療を行った症例がいくつかあったことでした。関連病院は小児外科として連携しながら、それぞれの得意分野、不得意分野をお互いカバーして日々の診療にあたっています。参加してくれた研修医や学生さんには、千葉の小児外科グループの底力を感じてもらうことができたと思います。

カンファレンスの後は、これも恒例になった?懇親会を開きました。こちらも大盛会となったようです。 

なお、今回参加した初期研修医の一人が、来年度の千葉大学小児外科への入局を宣言してくれました! 小児外科は小さなグループです。同じ志を持つ人が増えることは大変嬉しいです。一緒に頑張っていきましょう。

2015年3月17日

第200回日本小児科学会千葉地方会に参加しました。

2015年2月15日に千葉大学キャンパス内で開催された、第200回日本小児科学会千葉地方会に参加させていただきました。各施設から多くの若手小児科医が発表しており、初期研修時代の同期の発表も聞くことができ、良い刺激になりました。県内各施設からベテランの先生方、また開業されている先生方も多く参加されており、発表後の質問では活発な意見交換がされ、大変勉強になりました。

私は合併症を持つ重症の新生児外科疾患の治療経験について報告しました。各施設の新生児科を代表される先生方から多くの質問をいただきました。長期予後についてや胎児治療に関してなど調べきれていないことを指摘していただいた大変良い機会でした。

今回の小児科学会千葉地方会では演題の申し込みが多く、発表を辞退された先生方が多かったとお聞きしました。発表の機会を与えてくださった小児科幹事の先生方に厚くお礼申し上げます。

(勝俣善夫)

2015年3月3日

第15回日本小児IBD研究会に参加しました。

2015年2月8日、大阪の北浜フォーラムで第15回小児IBD研究会が開催されました。

"IBD"とは"炎症性腸疾患"のことで、炎症性腸疾患とは一般的には"潰瘍性大腸炎"と"Crohn病"という二つの病気のことを指しています。どちらも腸に慢性的な炎症を起こす原因不明の病気で、完治が難しく、一生治療を続けていかなければいけない難病です。

IBDの患者数は近年増加傾向にありますが、それとともに低年齢発症も増えており、IBDの全患者のうち20~25%が18歳未満の患者といわれています。小児IBD治療に当たっては、基本は成人と大きな違いはありませんが、成長障害や心の問題など、小児特有の問題点や注意点などに十分 注意しなければなりません。

様々な施設から、治療に難渋している症例や、新規製剤を試みている症例、また心理面のサポートに関する報告など多岐にわたる発表がありました。密度の濃い議論が行われ、1日があっという間に終わってしまいました。

このような研究会への参加を通して、今後の診療向上に貢献できればと思います。

(大野幸恵)