TOPICS

HOME > TOPICS > 法医解剖試料からの新規中毒起因物質検査法の開発とその法医学的解釈に関する研究

当法医学教室にて法医解剖を受けられた方のご遺族の方へ

令和4年7月7日
千葉大学大学院 医学研究院 法医学教室

 現在、法医学教室では、「法医解剖試料からの新規中毒起因物質検査法の開発とその法医学的解釈に関する研究」を行っています。今後、現在高精度な法医薬毒物鑑定に役立てることを目的に、この研究では2015年1月~2022年3月までの間に、当教室にて法医解剖が行われた解剖事例のうち、主に薬毒物を摂取していた事例から採取した試料、また得られた検査結果などの情報などを利用させて頂きます。この研究に利用される情報などが何のために、どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は、下記の窓口にご連絡ください。

1.研究課題名
 法医解剖試料からの新規中毒起因物質検査法の開発とその法医学的解釈に関する研究

2.研究の意義・目的
 法医学の鑑定において、薬毒物検査は欠くことのできない重要な検査です。近年、分析技術の急激な進歩により非常に高精度の薬毒物検査が行える環境にはなりつつあります。しかし、実際の鑑定で最先端の分析技術を実証のないまま用いることは、鑑定上非常に危険であり、誤鑑定を及ぼしかねません。そこで、当教室では法医解剖を実施した事例の試料を用いて、これら新規分析技術が実鑑定に応用可能なのか、また法医学的な分析結果の解釈について検証する研究に参加しています。

3.研究の方法
 本研究では、2015年1月~2022年3月までの間に、当教室にて法医解剖が行われた解剖事例ら得られた様々な試料を用いて、科学警察研究所で開発された最新の分析技術を利用して分析を行います。その分析結果が、鑑定のために行われた従来の薬物検査結果と整合性が取れるのか、また新規に出てきた分析結果については、どのように解釈をするべきか、事例の情報と照らし合わせて検討をおこないます。
 具体的な新規分析技術は、
 ・法医試料中からの新規薬物抽出法(液々抽出、各種固相抽出、固液抽出、マイクロ粉砕抽出等)
 ・新規分析装置(ガスクロマトグラフィー/タンデム質量分析、超高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析、イオンクロマトグラフィー/ICP質量分析等)での検出法
 ・毛髪・爪などの硬組織中薬毒物分析
 ・胃内容物中の有害動植物等のDNA検査法
です。

4.個人情報の取り扱いについて
 本研究で得られた個人情報は、匿名化して管理し外部に洩れることのないように厳重に管理します。研究成果の発表にあたっては、死者の氏名などは一切公表しないこととします。データ等は、千葉大学大学院医学研究院法医学教室の鍵のかかる棚で保管します。

5.外部への試料・情報の提供
 この研究に関するデータは匿名化された後に、共同研究先である科学警察研究所に送付(配達記録付郵便による郵送あるいは 研究者が直接運搬)し、インターネットに接続しない分析専用のコンピュータ内で保存をいたします。
 研究使用への不同意の意思を示された場合は、その時点でその事例の情報を消去いたします。

6.研究組織
 【研究代表者】
  千葉大学大学院 医学研究院 法医学教室 
  東京大学大学院 医学研究科 法医学
          研究代表者  教授 岩瀬博太郎
                (千葉大学・東京大学 法医学教授併任)
 【参加施設】
  科学警察研究所 研究代表者 法科学第三部長 大森毅

7.研究に情報などを利用して欲しくない場合について
 研究使用へ同意されない場合には、原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので、こちら(リンク)をご覧ください。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
 文部科学省・厚生労働省による「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています。

研究実施機関  :千葉大学大学院 医学研究院 法医学教室
本件のお問合せ先:千葉大学大学院 医学研究院 法医学教室
         代表者 岩瀬博太郎
         FAX:043(226)2079
研究代表機関  :千葉大学大学院 医学研究院 法医学教室
研究代表者   :岩瀬博太郎