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NPO法人法医学検索支援センター

平成20年5月、法医学教室に併設する形で「NPO法人死亡時医学検索支援センター」が設立されました。

この設立の目的は、「広く一般市民に対して、遺体の解剖や画像検査等により死因の適正な診断をおこなうことを支援する事業を行い、健康福祉及び地域の安全に寄与すること」ですが、他方で、不安定な身分である非正規職員の雇用の条件を少しでも上げるという面もありました。

国立大学の独立行政法人化によって、法医学への財政的支援は削られ人員も削減されるなか、独居老人の増加や犯罪見逃し疑惑の高まりを背景に解剖数は増加しました。大学として正規職員が採用されないまま、解剖や検査の増加に対応しその水準を維持するためには、非正規の職員を増やすしかありません。非正規職員には高い専門性が要求されますが、期間雇用であり、正規に転換する道もありません。

そこで、少しでも身分の格差を縮め、退職金の給付も可能なように、このNPO法人を活用することになったのです。法人の歳入は解剖に対する謝金で賄われています。しかし、これは問題の解決にはなりません。死因究明等はどの国でも行政の中で特に重要な仕事として、公的資金を投じています。わが国も、国家的必要を認め、そこに働く職員の身分の安定を保障するような体制に移行することが不可欠です。

平成26年10月、この法人は、広く一般市民に対して、遺体の解剖・画像検査等による死因の診断、DNA型鑑定、歯科所見による個人識別や子供、高齢者、DV被害者等の創傷鑑定など法医学における適正な診断の実施を支援し、もって健康福祉及び地域の安全に寄与することを目的とすることから「NPO法人法医学検索支援センター」と名称を変更いたしました。